公的な医療制度を学ぼう!
あなたの健康保険は?
【遺族年金】でも触れていますが、必要保障額(死亡保障)を考える時に、公的に守られている部分を加味する必要があります。厳密に言うと、医療保険も同様にご自身がどの健康保険に加入しているのか・・・によって、民間の医療保険の保障内容も変わってきます。簡単に各健康保険の特徴を整理しておきましょう。
| 健康保険の名称 | 対象 |
|---|---|
| 協会けんぽ | サラリーマンのうち中小企業にお勤めの方。旧名称・政府管掌健康保険。 |
| 組合管掌健保 | 勤務先の企業単独、または業界団体等をひとつの保険事業体とする建保。高額療養費の上限など各組合によって異なる。 |
| 国民健康保険 | 自営業や無職の方。傷病手当が無いなど他の建保に比べて制限がある。 |
| 共済組合 | 公務員、私学教員などの方。 |
| 後期高齢者 | 75歳以上の方をひとつの保険事業体とする健康保険。2012年には解体・再編の予定。 |
それぞれに(後期高齢者医療制度を除く)、高額療養費や先進医療の制度は使えますが、ポイントは高額療養費の上限額です。組合管掌建保の場合、組合独自で高額療養費の自己負担上限を設定している組合もあります。組合によっては、自己負担上限が2万円という組合もあります。民間の医療保険を考える場合、ご自身(勤務先)がどこの健保に属しているのかによって、過大なプランに加入する必要はないケースも充分あります。
診療報酬って?
今までに入院された事はありますか?入院した時にかかる費用のうち「入院基本料金」なるものがありますが、これが入院日数経過により段階的に減額されます(第1段階では14日以降)。したがって病院側の立場からみると、長く入院させるほど請求出来る金額が下がってきます。
また、後述の医療技術の進歩と相まって、入院日数はどんどん短縮化されてきています。今、国民の総医療費は年間34兆円と言われていますが、少子高齢化により総医療費は膨れ上がる傾向にあるため、「入院」は短縮して「自宅療養(在宅医療)」にシフトしていっています。
このように、医療保険を考えるにあたり、【医療制度の変化】や【医療技術の進歩】を無視するわけにはいきません。つまり、医療保険はいつの時代も「最新型」の医療保険がその時代にマッチしていると言えるでしょう。30年前の医療保険(たとえば入院21日目から保障など)が、今の時代にマッチしていないように、30年後には今の医療保険もマッチしていない可能性が高いという事です。
医療保険は切り替えるべき保険である。という考えはそういった背景を踏まえた上での考え方です。
先進医療のしくみ
「ダ・ヴィンチ」ってご存知ですか?キリスト教の謎解き映画ではなく、手術支援ロボットの名称です。肉眼では見えにくい隠れた神経などを傷つけないように、内視鏡とロボットアームを組み合わせた医療機器で、執刀医は患者から離れた場所でモニターを見ながら”ロボット”を操作します。そんなSF映画のような事がすでに現実のものとして行なわれています。
医薬品の進歩も日進月歩です。ただ厚生労働省の認可の問題で、最新の医薬品は「未承認医薬品」として健康保険適用外(実費負担)であるため、病院からの請求は高額になります。
また、先進医療とは厚労省で認められている【健康保険適用の治療と併用が認められている最先端治療】の事で、2010年11月現在で119種の治療方法があります。ただ、この先進医療の部分にかかる費用は健康保険適用外であり、高額療養費制度の対象にもなりません。高額な術式だと300万円以上という費用を、文字通り全額自己負担することになります。
少し見方を変えると、最先端の治療や医薬品を使用する事で”劇的に病気が治る”可能性があるという事です。言い換えれば、お金をかければ治る(可能性が高くなる)病気もあるという見方もできます。
もし、主治医の先生から「こんな治療があるんだけど、○○万円掛かりますがどうします?」と聞かれたら、あなたならどうしますか?
現在加入出来るほとんどの医療保険には、「先進医療特約」を付ける事が可能です。20年前の医療保険にはそんな特約は存在していなかったので、医療技術の進歩によって医療保険も変わっていっているいい例だと思います。
高額療養費のしくみ
【先進医療】同様、意外と知られていないのが、高額療養費の制度です。健康保険適用分に関して、下記上限額を超えた場合に、病院に支払ったお金が戻ってくる制度です。
| 対象となる方 | 自己負担上限額(「1ヶ月あたり) | |
|---|---|---|
| 一般の方 | 下記2つに該当しない方 | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% |
| 上位所得の方 | 標準報酬月額が53万円以上の被保険者およびその被扶養者 | 150,000円+(総医療費-500,000円)×1% |
| 低所得の方 | 生活保護の被保護者や市町村民税非課税世帯などの方 | 35,400円 |
健康保険適用の請求分が30万円だった場合(総医療費100万円の3割負担)
80,100円+(1,000,000-267,000)X1% = 87,430円 となります。
自己負担の上限は、その方の所得に応じて額が変わります。国の制度ですから、この基準も将来に向かって変更になるかもしれません。
なお、上記の限度額は「1ヶ月間にかかった医療費」ですので、月をまたいで入院すると、その月ごとの計算になります。また、同一月内に同一世帯の中で、自己負担が21,000円以上の方が複数いる場合、世帯合算として請求できます。
先進医療と自由診療(混合診療)を除けばほとんどが健康保険適用の治療になると思います。個室料金(差額ベッド代)や入退院時の交通費、快気祝いなど直接治療に関わらない部分は基本的に全額自己負担ですので、上記金額に上乗せになります。ご注意下さい。
※2012年度から全ての病院、調剤薬局(医師からの処方箋に基づく医薬品)で、自己負担上限以上は窓口で払わなくていい制度に移行する予定です。












